魔王伝
⇒見知らぬ世界で
『父上!!』
魔界の川の辺で、釣竿を持つソフィアが父親を呼んだ。
『ソフィア、どうしたんだ?』
近くにいた背の高いソフィアの父・ブリフィアはソフィアの元に駆けつけた。
『魔魚です。魔魚がかかりました』
ソフィアは大きくしなる釣竿を必死に握っていた。
『おお、これは大物だぞ。しっかり釣り上げろよ、逃がすなよ』
ブリフィアは膝に両手をつき、ソフィアを応援した。
『ち、父上…手伝って下さい…』
歯を食いしばり、必死に釣竿を握るソフィアは助けを求めた。
『ダメだ。自分一人の力で釣り上げるんだ、甘えるんじゃない!!』
ブリフィアは厳しく告げた。