魔王伝
『家?家は魔界だ。なんてたって…俺は魔王だからな』
ソフィアはそう言って、警官を睨みつけた。
『魔界…魔王…』
警官は驚くように目を丸く見開き呟いた。
『ふん』
ソフィアはそんな驚く警官を見て勝ち誇ったような表情を見せた。
警官はそんなソフィアのおでこに手の平を当てた。
『熱が…あるのかな?そんな風には見えないんだけどな』
警官は首を傾げた。
『ね、熱なんてねーよ!!』
ソフィアは警官の手を払った。
『じゃあ、記憶喪失なのかな?まあ…迷子ならそのうち捜索願いが入るだろう。記憶を取り戻すか…捜索願いが入るかするまで私の家に入れば良い』
警官はそう言って、ソフィアの頭を優しく撫でた。