*キミに依存症*〜わたしの幼なじみ王子さま〜
*王子さま*

「ママ!はやく、はやく!朗慈が、行っちゃう!」




わたしは、靴を履きながら玄関でばたばたと叫んだ。





「もう。はい、これでしょ? 朗慈くんにわがままいっちゃだめだからね?」





体操着を受け取ると、わたしは玄関から飛び出した!





――がちゃ
   がちゃ




ちょうど、朗慈も隣の家から顔をのぞかせた。




よし!
いいタイミング。





「朗慈、おはよう!」





さっき、窓から帰ったのも忘れて、もう一度、ごあいさつ。




「・・・・・・」





朗慈は、わたしを横目でみながら無言。




流し目のような
目を細めた朗慈も大好き!





・・・・・・ぎゅ〜!!





朗慈のとなりに並んで腕にしがみついた。





「はあ〜……里亜、はなれろ」





それは、いつもの朗慈のごあいさつのようなもの。




って、わたしは思ってるの!




「うん!」





素直に返事するわたし。





いったんはね……







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