成長する
「いけないんだ」

「なにがいけないの! ねぇっ、なにがいけないのっ!?」

「……いけないんだ」

まるで、機械だった。幼女は同じことしか言わず、くるりときびすを返し、闇へ歩き始める。それが、あの化け物を追いかけるわけではないと、美幸にはなんとなくわかった。

幼女はただ、昨日と同じく、ただお使いをこなしているだけなのだ。

もしかしたら、なにがいけないのかさえわからず、言っているのかもしれない。

だとしたら、その「いけないんだ」を言わせているのは……

(楓さん、なの……?)

〝なぜ?〟――それが、パンクズになる。





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