クロスロードラヴァーズ
服装は、金や銀、黒や黄色を基調としたかなり個性的なものだった。
「よお、病院で会って以来だな。元気かよ?」
「……ほんま、誰やねん、あんさんは?オレ、そないな孔雀みたいな格好した兄さんの知り合いはおらへんはずやけど。」
不審者を見るような訝しげな眼差しで、男性を見る郁。
「誰が孔雀だ!“病院で会った”って言ってんだろ!!」
「知らん。」
「一蹴かよ……。」
男性は、はああと郁よりも深いため息をつきながら、金色のグラサンを左手で外した。
グラサンで隠れていた澄んだ藍色の瞳が、じっと郁を見据える。
「俺様を知らねえなんて、相当な田舎者だな、ボーイズ系。俺様は……」
「あっ、思い出したわ。あんさん……聖河はんの悪友の時神 火槌やろ?」