クロスロードラヴァーズ
「そ、そろそろ帰る?暗くなってきたし、聖河のおじさんも柳兄も心配してるかもしれないから。」
「……梓。帰る前に、話がある。先ほどの続きだ。」
「えっ……わっ!?」
立ち上がった梓の右腕を掴んで再び座らせる聖河。
「は、話って……?」
「自分が梓のことをどう思っているかを知りたいか?」
「教えて……くれるなら。」
聖河は梓の両手に自分の両手を重ね合わせ、徐々に顔を近づける。
梓はゴクリと唾を飲み込んで、熱に浮かされているような表情で彼を見上げた。
少しの間、無言の時間が続き、吐息がかかりそうなほどの距離まで近づいてから聖河が口を開く。
「……好きだ、梓。自分の恋人になってほしい。」
囁くような小さな声。
だが、梓の耳にはしっかりと告白の言葉が聞こえた。