クロスロードラヴァーズ
「柳兄というのは、あんたか?この者……梓が、あんたに謝りたいらしい。」
聖河は端的に言うと、梓の背中を軽く押して前に出させた。
梓はフイと顔を逸らしていたが、
「自分が付いている。……大丈夫だ。」
聖河に耳打ちされ、ようやく口を開く。
「柳兄……ごめんなさい。」
「梓、僕は……」
梓から顔を背けて戸惑いの表情を見せる柳都に、聖河が重ねて言う。
「梓と仲直りしてほしい。謝罪の言葉が足りなければ、自分も謝る。……すまなかった。」
「別に君に謝られる覚えはないけど……梓の気持ちは十分わかった。梓……僕こそ悪かった。」
柳都は顔を上げて素直に詫びを述べ、梓の手をとる。