クロスロードラヴァーズ
「だけど、タバコはダメだ。せめて、あと四年は待ちなさい。それを守れるなら、僕はもう余計な小舅はしないから。」
「……わかった。」
コクリと頷く梓。
「良かったね、梓ちゃん!柳都兄さん!」
柳都の後ろから姿を見せた柚枝が、嬉しそうに顔を綻ばせて言った。
「ではな、梓。自分はそろそろ失礼する。」
話が一段落付いたのを見計らって、聖河はくるりと踵を返して歩き出す。
「あっ……待って、聖河!」
慌てて後を追いかける梓。
柳都と柚枝が名を呼んだが、梓は振り返ることもせず足も止めない。
「待ってよ!」
聖河の歩行速度は思ったより速い。
梓が追いついた時には、家から十メートル離れた場所にある空き地まで到達していた。