クロスロードラヴァーズ
「……これは?」
「メアドと携帯番号……赤外線で送って。もし、また何かあったら聖河に来てほしいから……。」
「ふっ……あんたには負けるな。」
聖河は参ったというように苦笑いして、自分の携帯をズボンポケットから取り出した。
そして、携帯の機能の中からプロフィールを選び出し赤外線送信ボタンを押す。
「送信する。……来たか?」
「ちょっと待って。……うん、来た。私のメアドと携帯番号は、後でメールで送るから。」
反対に、梓は赤外線受信ボタンを押して聖河のプロフィールを受け取る。
「わかった。それでは……今度こそさらばだ、梓。」
軽く頷いた後、聖河は歩き出す。
「また来てくれるよね……?」
遠ざかっていく聖河の背中に向かって、梓は小さな小さな声で問いかけるのだった……。