クロスロードラヴァーズ


「そうですか……。誘ってくれたら、一緒に行ったのに。梓ちゃんってば、薄情者ー。」


柚枝はスネたように口を尖らせる。

だが、柳都が申し訳無さそうに眉を下げているのを見て、慌てて笑顔を作る。



「そんな顔しないで下さいよ、柳都兄さんが悪いわけじゃないんだから。梓ちゃんだって、たまには一人で居たい時だってありますよね。」


「本当にごめんね、柚枝。もうじき帰って来るとは思うけど……。」


「いいんですよ。うちが好きで来てるだけだし。あっ、梓ちゃんが帰って来るまで待ってていいですか?」


「もちろん、いいに決まってるよ。わざわざ来てもらっているんだから、大歓迎だ。」


柳都は表情を和らげて返すと、それがごく自然な流れであるかのように柚枝をリビングに招き入れる。
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