クロスロードラヴァーズ
「お、落ち着くんだ、柚枝!梓は意地を張って、何も言えないだけだ。君のことを要らないと言ったわけじゃない!」
「でも……必要だとも言ってくれてない……。」
消え入るような声で言うと、柚枝は悲しげに眉を下げてうつむく。
「うっ……そうだけどさ……。ほ、ほら、親御さんも友達も、柚枝が居なくなったら悲しむよ?」
「……お母さんもお父さんも、何でもこなせる妹の方を可愛がってるの。友達……?うちには梓ちゃんしか、心を開ける友達は居ない……。」
「あっ……余計なこと言ってごめん。でもね、柚枝……君が居なくなったら、僕と梓が悲しいよ。」
柳都が必死に柚枝を説得する中、梓はケータイを取り出し素早く誰かの電話番号を押す。