クロスロードラヴァーズ
彼女と同年代に見えるもう一人の女性が、宇都町 梓。
茶色いパーマ髪と赤い瞳が印象的である。
柚枝とは違い、心配そうな表情ではなく冷めた瞳で聖河を見下ろしている。
「良かった……。うち、柳都兄さんを呼んでくるね!梓ちゃんはここに居て、聖河君の様子を見てて!」
そう言うと、柚枝は駆け足で病室から出て行った。
部屋には、梓と聖河の二人が残る。
「自分はまだ生きているのだな……。心配かけてすまなかった。」
「本当に心配したんだからね……。でも、致命傷にならなくて良かった……。なんて、言うと思った?」
梓の表情が怒っているような表情に変わる。