クロスロードラヴァーズ
「うっ……そこまで言うか、梓……。」
真前のイスに座りながら、柳都は落ち込んでいるように傾いでみせた。
「ふっ……ふふっ。」
二人の掛け合いをぼうっと見ていた柚枝が、急に笑い出す。
「柚枝?」
「も、もう、我慢できない……あははっ。可笑しいんだもん、梓ちゃんと柳都兄さんの会話。売れない漫才師みたいでさ。うち……うじうじ考えてたのが馬鹿みたいに思えてきちゃったよー。」
「柚枝……笑いすぎ。そこまでツボるほど、面白くないと思うけど。」
「だって……あー、本当おかしい、あははっ。」
来た時とは別の意味で涙ぐみながら豪快に笑う柚枝に、柳都は引きつり笑いを浮かべた。