クロスロードラヴァーズ



「柚枝のツボって、変なところにあるんだね……。あっ、チャーハンが冷めてしまうよ。食べながら話そうか。」


柳都の指摘に、ハッとしたように梓も柚枝もチャーハンを口に入れ始めた。

それを見て、柳都も自分の分のチャーハンを食べ始める。



「はふっ……柳兄が変なこと言うから、むぐっ……柚枝の話が聞けなかったんでしょ。」


「梓……わかったから。食べるか話すかどちらかにしなさい。」


「んぐっ……はいはい。お小言は聞きくないから。それで……フラれたってことは、告白したってこと?」


口に含んだ分を飲み込んで、前半は柳都、後半は柚枝に向けて梓が言った。



「うん、三日前に告白したけど“柚枝の気持ちには答えられない”ってきっぱりね。」


「淡々と言ったけど、柚枝?君は落ち込んでいるんじゃ……?」
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