クロスロードラヴァーズ












翌日の放課後。



「あー……かったるかったわ、久々の学校は。オレ、校長の話で寝そうになってたわ……。」


大きな欠伸をして机にうっぷす少女が一人。


緑髪のショートヘアと焦げ茶色の瞳を持つ梓のいとこ、的場 郁である。

男性っぽい顔だが、女子の制服を着ると右目の下の泣きボクロが色っぽさを醸し出しているように目立つ。



「……完璧に寝てたよ、郁。転校してきた初日に居眠りかって、担任の春原(はるばる)先生、睨んでたけど。」


梓はそう教えながら、鞄を右手に引っさげてイスから立ち上がる。



「げっ……それ、ほんまの話?職員室とか呼び出されんくて良かったわあ。」


「まあ……郁以外にも寝てた人は居たからね。そのほとんどは男子だけど。」
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