クロスロードラヴァーズ
柚枝の提案に、
「そやな!オレは部外者やけど、梓はんの恋人は見てみたいわ。」
「だから、恋人じゃないって……。はあ、もう訂正するのも面倒になってきた。」
郁は乗り気で、梓は流されたような形で賛成したのだった……。
雲の切れ間から、オレンジ色の光が差し込む聖河の病室。
「よう、相棒!元気にしてたかよ?」
一人の珍客が来ていた。
一部だけ赤い黒髪に藍色の瞳を持つ男性。
耳にデカピアス、金色のグラサンをかけているがあまり似合っていない。
「おまえは……」
「おおっ!?やっぱり覚えてくれてたか、相棒!嬉しいぜ!」
「……誰だ?」
抱きつかんばかりに喜んでいた彼は、聖河の質問にがくりとうなだれた。