クロスロードラヴァーズ
担任教師はガッツポーズをして笑顔を聖河に向ける。
しかし、聖河の顔は浮かない表情だった。
「一年間……か。」
ため息混じりに呟くと、イスに座り直したのだった……。
「よっ、相棒!一年間よろしく頼むぜ!」
困ったような表情で生徒会室に入ってきた聖河を迎えたのは、時神 火槌というらしい新生徒会長。
全体的に黒で一部だけ赤い前髪と、藍色の瞳が派手好きな人間であるような印象を受ける。
「………。」
気さくに挨拶してきた火槌とは対照的に、聖河は無言で彼の隣の隣の席に座った。
その様子に、他の生徒会メンバーがどよめく。
「会長と副会長……仲悪そう。」
「つうかさ、隣に座んねえって、嫌いの意志表示じゃね?」
「はあ……こんな不仲で大丈夫なのかな……生徒会。」
生徒会メンバーが嘆息し合う中、当の火槌にはへこたれた様子ではない。
にやっと不敵な笑みを浮かべて、聖河を見ている。