恋するために生まれた
「ただいまぁ」
家に帰ると
母がお店に行く支度をしていた。
「なにその格好!」
母は
男物のぶかぶかの服を着てるあたしを見て驚いた顔をした。
「あっ…雨に濡れちゃってね
友達ん家で借りたの」
「でもそれ大き過ぎない?」
「とっ…
友達のお兄ちゃんのなの!」
「ふぅぅぅん」
母は明らかに
おもしろがっている。
あたしはその空気に
いたたまれなくなって
そそくさと自分の部屋に入った。
「…ふぅ」
ため息をつき、鏡を見た。
ぶかぶかの、
ツバサの服を着たあたし。
鏡を見ながら
ほっぺたを叩いてみる。
「夢じゃないんだ…」
今日起こったこと、
そして
これからのあたしたちを想像して
あたしはまた
胸の鼓動が高鳴った。
――シャワーは
お母さんが出掛けてから
浴びよう。
借りた服を丁寧に脱いで
自分の服に着替えると
とりあえずドライヤーで
髪だけは乾かすことにした。
出会った頃よりも
昨日よりも
もっとツバサのこと
好きになってる。
きっと明日は
今日よりもっと好きになる。
ドライヤーをかけてる間も
あたしの鼓動は
休まることなく高鳴っていた。
家に帰ると
母がお店に行く支度をしていた。
「なにその格好!」
母は
男物のぶかぶかの服を着てるあたしを見て驚いた顔をした。
「あっ…雨に濡れちゃってね
友達ん家で借りたの」
「でもそれ大き過ぎない?」
「とっ…
友達のお兄ちゃんのなの!」
「ふぅぅぅん」
母は明らかに
おもしろがっている。
あたしはその空気に
いたたまれなくなって
そそくさと自分の部屋に入った。
「…ふぅ」
ため息をつき、鏡を見た。
ぶかぶかの、
ツバサの服を着たあたし。
鏡を見ながら
ほっぺたを叩いてみる。
「夢じゃないんだ…」
今日起こったこと、
そして
これからのあたしたちを想像して
あたしはまた
胸の鼓動が高鳴った。
――シャワーは
お母さんが出掛けてから
浴びよう。
借りた服を丁寧に脱いで
自分の服に着替えると
とりあえずドライヤーで
髪だけは乾かすことにした。
出会った頃よりも
昨日よりも
もっとツバサのこと
好きになってる。
きっと明日は
今日よりもっと好きになる。
ドライヤーをかけてる間も
あたしの鼓動は
休まることなく高鳴っていた。