恋するために生まれた
「どこ行くの?」
あたしはタクシーに乗り込むと
ドキドキするあまり
そんなマヌケな質問をした。
「俺んち」
「えっ!
あっ…そー…そーだよね」
もう手はつないでない。
でもなんだか
ツバサをとても近くに感じる。
いや、実際近いんだけども。
「着きましたよ」
意外にツバサの家は近くて
すぐに着いてしまった。
「降りるぞ」
ツバサはさっさと会計して
タクシーを降りる。
あたしもそのあとに続いた。
趣味のいい、白い壁の一軒家。
小さな庭には
バラや、あたしの知らない小さな花が
たくさん咲いている。
「入れよ」
「あっ…おじゃましまーす」
あたしが
大きな声で言ったので
奥からツバサのお母さんらしき人が出てきた。
あたしの顔を見て
一瞬、驚いた顔をして
またすぐ笑顔になった。
「いらっしゃい」
――キレイな人。
心から、そう思った。
色が白くて、キレイな肌で、
ツバサに
少し似ているかもしれない。
「可愛いお客さまが来るなんて
知らなかったものだから
散らかってますけど、どうぞ」
「いえっ…すごくキレイですっ」
「まぁ、ありがとう」
ツバサは黙って靴を脱いで
そのまま二階に上がって
行ってしまった。
「ごめんなさいね。
階段上がって奥の部屋が
ツバサの部屋なので、どうぞ」
「あ、はい…おじゃまします」
―…ツバサはどうして
お母さんの顔を見ないんだろう。
話さないんだろう。
あたしは階段を上りながら
グルグルそう考えていた。
あたしはタクシーに乗り込むと
ドキドキするあまり
そんなマヌケな質問をした。
「俺んち」
「えっ!
あっ…そー…そーだよね」
もう手はつないでない。
でもなんだか
ツバサをとても近くに感じる。
いや、実際近いんだけども。
「着きましたよ」
意外にツバサの家は近くて
すぐに着いてしまった。
「降りるぞ」
ツバサはさっさと会計して
タクシーを降りる。
あたしもそのあとに続いた。
趣味のいい、白い壁の一軒家。
小さな庭には
バラや、あたしの知らない小さな花が
たくさん咲いている。
「入れよ」
「あっ…おじゃましまーす」
あたしが
大きな声で言ったので
奥からツバサのお母さんらしき人が出てきた。
あたしの顔を見て
一瞬、驚いた顔をして
またすぐ笑顔になった。
「いらっしゃい」
――キレイな人。
心から、そう思った。
色が白くて、キレイな肌で、
ツバサに
少し似ているかもしれない。
「可愛いお客さまが来るなんて
知らなかったものだから
散らかってますけど、どうぞ」
「いえっ…すごくキレイですっ」
「まぁ、ありがとう」
ツバサは黙って靴を脱いで
そのまま二階に上がって
行ってしまった。
「ごめんなさいね。
階段上がって奥の部屋が
ツバサの部屋なので、どうぞ」
「あ、はい…おじゃまします」
―…ツバサはどうして
お母さんの顔を見ないんだろう。
話さないんだろう。
あたしは階段を上りながら
グルグルそう考えていた。