恋するために生まれた
「ユウ誕生日いつ?」

ツバサが話題を変えたので
あたしは少しホッとした。


「4月3日だよ」

「マジで?
 もう過ぎてんじゃん」

「ツバサは?」

「俺?8月3日」

「ツバサも3日なの?!仲間〜
 ってゆーかツバサも誕生日
 過ぎてるじゃんっ」

「ハハッそーだな」





―誕生日。

ツバサと一緒に過ごしたかったよ。
もっともっと
早く出会いたかったよ。





「来年は一緒に過ごそうな」

「え?」



まるで
あたしの心の中
見透かしてるように
ツバサがそう言う。



あたしたちきっと
考えてること同じなんだ。



「来年はでーっかいケーキ
 一緒に食べようねっ」

「ケーキじゃ背は伸びねーぞ?」

「背のためじゃないもん!」





――来年。

あたしたちは
どうなってるだろうか。

一緒にいられるんだろうか。



約束は
時にはせつないけれど

ツバサとの約束なら
信じられる気がした。
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