ガールズ・ブルースプリング
プロローグ
「………わ、懐かしい!」
何年ぶりかにやってきた思い出の時計台を見上げて、思わず感嘆の声が漏れた。
どちらかと言えば物静かな町の、駅の側に立つ時計台。
あの頃のあたしたちが、待ち合わせ場所としていつも使っていた場所だ。
近くにはファーストフード店や本屋、そして何より駅があることで
あの頃のこの場所は、あたしたちの生活の中心だった。
「んー、早過ぎたかな?」
約束の時間より、15分も早くついてしまった。
近くのベンチに腰掛けて、ゆっくりと辺りを見渡す。
……全然変わってないや。
相変わらずの景色に、なんだか7年前にタイムスリップしたみたい。
25歳を迎える今年。
20歳以来のクラス会が開かれるということで、あたしはこの故郷の町へと帰ってきた。
……懐かしいな。
自分の人生を大きく変えた、あの高校3年間が
走馬灯のように
あたしの脳裏を駆け巡った…―――