THREEプリンセス
「思い出したか」


そう言ってあたしの
頭を撫でた




「何度も何度も夜中
馬に乗って探し出した
白雪は月明かりに
照らされて眠ってた…」






野薔薇を見上げると
その切れ長の瞳からは
雫が溢れていた







「野薔薇……ごめんね…」




あたしは野薔薇に
抱き着いた







涙の理由はあたしだった




震えてたのは…
野薔薇を不安にさせたのは
あたしのせいだ









気付けばあたし達は
暗闇の中にいた








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