ジュリエットに愛の花束を。


そこまで考えて、自分を振り返る。


あたしには、そこまで必死になれる事ってないんだなって。


そこまで執着して欲しいと思えたモノなんて……、

あたしには、樹しかなかった。


そう思うと、自分がとてつもなくつまらない人間に思えてきてしまって。

……樹とは釣り合わない人間に思えてきてしまって。


珍しくマイナスに向かい始めた思考に気付いて、頬をパンパンと軽く叩く。


樹と一緒に住んでる頃には気付かなかったのに……。

少しだけ離れた距離は、今まで考えもしなかった問題ばかりを呼び起こしてきて。



お兄ちゃんのせいだ、なんて不貞腐れながら、ため息をもらして目を閉じた。







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