ジュリエットに愛の花束を。
宣戦布告!
「おっはよー、瑞希ー」
「……ねぇ、皐が無我夢中になってるモノってなに?」
「……その前にさー、あたし今ラリアットしたんだけど。何事もなかったみたいに話進めないでよー。
しかもテンション低ーい!」
背後からラリアットされた上に、テンションを突っ込まれてチョップされる始末。
朝から大変な目に遭わせてくれた皐に、口を尖らせながら不貞腐れる。
皐が唸ってから、答えを探す。
「うーん……いい男探し」
「だからさー、皐、彼氏いるじゃん」
「いるけど、常に上は狙っとかないとじゃーん」
「……他は? なにかある?」
「えー、とりあえず大学四年間はイケメンゲットの道に精進したい」
「……あっそ」
呆れて言ったあたしに、皐は「どうちたんでちゅかー」なんてニヤニヤしながら、頬に肘をぐりぐりとめり込ませる。
「やめて。メイクが落ちる」
「あれ、そういえば今日ずいぶん気合入れてるね。なんかあったの?」
「……何も」