ジュリエットに愛の花束を。


やけに核心を突いてきた皐の言葉に、思わず黙り込む。


まぁ、確かにその通りだけど。



「だけど、なんか悔しくない? あたしも何か打ち込めるモノとか欲しくなってくる」

「出たー、瑞希の負けず嫌い。

いいんじゃない? 探してる時間は無駄にはなんなそうだし。

あ、探すついでにさー、モノは相談なんだけど、今日の19時からの飲み会出られない? 集まり悪いんだよねー。

クリスマス商戦なのにさー、みんなして予定あるとか言って。気合いが足りないよね」


がらりと話題を変えた皐に、顔をしかめる。


「商戦って」

「商戦じゃん。いい男を見定めて奪い合うんだから」

「そんなのに巻き込まないでくれる? あたし一応彼氏いるし」

「一応だってー。恥ずかしがっちゃってー」


肘でぐりぐりつついてくる皐から逃れようとしていた時。

後ろから呼び止められる。






< 106 / 355 >

この作品をシェア

pagetop