ジュリエットに愛の花束を。
バルコニーの横に伝うツタを掴んで降りるとか。
王子に「ちょっとは気を利かせてマット的なモノ持って来い」とか言って、用意させてジャンプするとか。
どうにかして、王子に触れる場所まで自分で辿り着く。
つまりは、そういう事。
素直になれない自分を分かってるなら、がむしゃらに頑張るしかないんだ。
「おまえ、朝からよく食べるな」
テーブルの向かいに座ったお兄ちゃんが、あたしの食欲に驚きの視線を向ける。
お兄ちゃん特製のたまごサンドを3つ食べてから、食卓に手を合わせる。
「ご馳走様でした」
「今日、何かあるのか? やけに早起きだったし」
「今日っていうか、今日から戦いに行かなくちゃだから気合い入れたの」
「戦い? なんかの試合か?」
「まぁね。女同士の死闘」
それだけ言って、家を出た。
昨日、色々とごちゃごちゃ考えて出した結論。
まずあたしが一番最初にしなくちゃいけない事はというと……。