ジュリエットに愛の花束を。


松永を片付ける事。


アリサさんとの戦いに専念するためにも、松永とのプリンごっこに付き合ってる場合じゃない。

今までなぁなぁできちゃったけど、本気でどうにかしなくちゃ。

本気で断んなくちゃ。



「けど、断るにしてもプリンだけにしといた方がいいよねー」


皐に言われて、顔をしかめた。


3時間目の講義。

7メートルほど先の教壇に立つのは、今年定年のおじいちゃん先生。

……よって、生徒はやりたい放題もいいところ。

度胸のある子は、ペディキュアまで塗り始める始末。


斜め前の子が赤いマニキュアをいじり出すから、あたしの場所まで匂いが届いてちょっと迷惑。


「でも、今度こそちゃんと言わないと……」

「だってよく考えてみてよ。告白もされてないのに振るっておかしいじゃん。

松永だって返事を聞きたくないから告白してこないんでしょ?

それをこっちが勝手に想いを断ち切るのって、違くない?」

「んー……確かにそうだけど、でも、いつまでもこのままってわけにもいかないじゃん。

あたしだって落ち着かないし」


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