ジュリエットに愛の花束を。


「そうだよねー。じゃあプリンをもらわないように、明らかに松永を避けるとか。

……でもダメか。放課後待ち伏せまでした男だもんね。

会えなかったら郵送してきそうだし」

「……本当に何か盛ってあるのかな。時間が経たないと気付かないような量で。

どうしよ、毎日樹が食べてるのに」


シャレにならなくなってきた毒入りプリン疑惑に、苦笑いをこぼす。


後ろの方でビニールの音がして視線を向けると、男子がコロッケパンを食べ初めていて。

匂いが混ざって何がなんだかわからない。


「とりあえず、お腹でも壊したって言っとけば? プリンなんか食べたら死ぬって」

「……それで諦めてくれるといいんだけど。

っていうか、本当にプリンの意味が知りたい……」

「瑞希が好きだからじゃないの?」

「んー、なんか違う気がするんだよね」


毎日熱い視線なんか感じないし、電話とかメールがひんぱんにくるわけでもないし。

本当にプリンをのぞけば松永の行動は、あたしを好きだなんて言ってない。


それに……、なんか違う気がする。



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