ジュリエットに愛の花束を。
大体、『素直になる方法知ってるし』とか、バカじゃないの?
えっちして素直になるのは、その時の反応だけであって、なんでもかんでもペラペラ話す女になるわけじゃないのに!
「……このままでいるのと、絆創膏貼るの、どっちが目立たないと思う?」
「絆創膏貼ってもさー、結局首筋だと『あ、キスマーク隠し』ってバレバレだからねー。
でも、むき出しにしとくよりはいいんじゃない?
あ、林檎うさぎの絆創膏あげよっか」
「余計目立たせてどうすんの? いいよ、普通の持ってるし」
皐が取り出した、ピンク色の絆創膏。
そこには確かに可愛い林檎うさぎが描かれていて魅力的だけど。
「えー、林檎うさぎの絆創膏にはおまじないかかってるのにー。『早く治る』って」
「……でも、別に怪我じゃないし。早く治したいわけでも……ない、し」
変に途切れながら言うと、皐に「瑞希、可愛いー」なんて笑われる。
絆創膏を貼ってから、樹のつけた跡が隠れたのを鏡で確認した。
いつもなら、こんな場所にはつけないのに。
いつもどこか冷静な樹が、あんな事するって事は。
こんな跡を残すって事は……。
何か、理由があるんだ。