ジュリエットに愛の花束を。


あたしだって、樹が普段はしないような格好してたり、髪型をしてたりしたら……。

その理由が知りたくなる。


聞いてもはぐらかされたりしたら、頭にくるし……。

悲しくて、不安になる。


今まで交わした言葉の数だけは、どのカップルよりも多いって自信があるくらいに、お互いなんでも話してたのに。

くだらない事も全部、ケンカみたいになりながらも話してたのに。


それを突然隠されたりしたら。

……樹だって、不安になるに決まってる。



松永から毎日もらってくるプリンだって、樹にしたらいい気分のするモノじゃなかったよね。

軽い気持ちで樹の部屋に置いて来てたけど……。

そんなの、樹を不安にさせるだけだったのかもしれない。

あたしが松永からもらったプリンなんか、きっと食べたくなかったよね……。

反対の立場だったら、絶対に嫌だって言い切れるのに。

樹は何も言わなかったから、それに甘えてたんだ。



悪いのは……、多分、あたしだ。


樹の優しさに甘えすぎてた、

樹の隠した不安に気付かなかった、


あたしだ。





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