ジュリエットに愛の花束を。
【第五章】
原因は……。
そもそもの原因はどこにあるんだろう。
お兄ちゃん?
松永?
アリサさん?
それとも……、あたしの可愛げない減らず口?
そんなの、今更言われても困るんだけど。
「瑞希、昨日の勢いはどうした? 敗戦確定か?」
嫌な事を言ってくるお兄ちゃんに、無言のまま冷たい眼差しを送る。
お兄ちゃんの用意してくれたコーンスープをすすりながら、昨日の事を考えていた。
あんな一方的なケンカは初めてだから、対処の仕方が分からない。
いつもは、お互い言いたいだけ言い合って……すっきりして、それでも膨れてるあたしに、樹が折れてくれるんだけど。
今回は……どうしたらいいんだろ。
けど、あたしは悪く……なくもないけど。
っていうか、むしろあたしが悪いんだと思うけど。
襲われたのなんて、今更何にも思わないし、そんな事を責めるなんてしない。
となれば、やっぱり、その原因を作ったあたしが悪いのかな。