ジュリエットに愛の花束を。
三日ぶりの樹と触れ合うことが、素直に嬉しかったから。
「いつもの減らず口叩かないんだ?」
あたしの身体から少し離した顔を、意地悪に歪める樹。
妖美にも見える笑みをじっと見つめたまま答える。
「減らず口を無理矢理黙らせるのが興奮する?」
「……瑞希が相手ってとこ以外なら、何でも譲ってやるよ」
「好きにしていいよ」なんて微笑みながら再び落ちてくるキス。
樹は……あたしの可愛げのなさを一時的に消滅させるスイッチのボタンを持ってるに違いない。
だって、たった一言でとか、肌に触れただけで、とか。
そんな理由でこのあたしが大人しくなるとかってありえないもん。
……奪い取りたいとは思わないけど。
誰かに弱みを握られたりするのって好きじゃないけど……。
樹が相手なら、嫌だとは思わないから。