ジュリエットに愛の花束を。
黙り込んでしまった松永を見てると、胸が痛む。
けど……。
昨日の樹の強引な行動。
その原因の多くを、きっと松永との事が占めてると思うから。
あたしの無神経ではっきりしない行動が、樹を不安にさせたんだと思うから。
だから。
「本当に失礼な事言ってるのは分かってる。
松永が好意でしてくれてた事なのに……。
うぬぼれてるみたいで嫌なんだけど……あたしは、樹しか考えられないから。
樹を、傷つけたくないから。
……ごめん」
そう言ったあたしに、松永は真顔で黙り込む。
伏せた目で何を考えているのか……。
気になったけど、松永の言葉を待った。
広い中庭には、ところどころで生徒がお昼をとったり、話したり。
微かに聞こえてくる話し声が、あたしと松永の間を流れていた。
……そして。
しばらくしてから、松永が口を開く。