ジュリエットに愛の花束を。


「松永、お願いしたら教えてくれると思う?」

「無理でしょー。絶対教えてくれないって。……でも、ムカつくからしめとく? 

あたしの彼氏呼ぼっか。

S大のボクシング部キャプテンだから、松永なんかきっと一発だよ」

「……いい。そんな本格的にしめあげたら問題になりそうだし」

「そう? じゃああたしがじわじわねっちりいじめとく」

「……」


だけど……誰かが影にいるとしたら。

本当に誰だろう。


誰かが松永を操ってない限り、松永が自らの意思でこんな事するなんて……メリットがなさすぎる。

だとしたら、松永が好意を寄せる女の子に頼まれて、とかが一番考えられるけど……松永の好きな子って誰だろ。


唸りながら地面を見つめていた時、5時間目の予鈴が聞こえてきた。

そのチャイムに、松永を懲らしめる作戦を練っている皐と教室に向かう。


講義の途中、松永と目が合ったけど……すぐに逸らされた。


……ただ本当にあたしが憎まれてるだけだったらどうしよう。






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