ジュリエットに愛の花束を。
キラキラ、キラキラ
家に帰る途中、近所の道端でばったり里香さんに会った。
何回か会ったくらいだけど、スレンダー美人の里香さんは、目と頭が鮮明に覚えてる。
きれいに整ってる顔は、里香さんの人柄からか柔らかく上品に見える。
お兄ちゃんにはもったいない。
樹も整ってるけど、こんな風に人当たりよくないし。
性格知るまでは、あたしもストイックな、少し冷たそうなイメージ持ってたし。
……それも人柄がにじみでてたりして。
里香さんはあたしに気付くと、柔らかい笑顔を向けてくれた。
「瑞希ちゃん。学校帰り?」
「はい。里香さんは? 真人くんはお家ですか?」
「うん。母親にちょっと見てもらってるの。
今ね、ちょうど瑞希ちゃんちの玄関先に林檎を置いてきたとこなの。親戚に箱でもらって、食べきれないから食べてね」