ジュリエットに愛の花束を。
【第七章】
夜中の訪問
「絶対に間違ってるから。
知り合いって程度の人のうちに、よくものこのこ来れたわね。
しかも、こんな夜中に」
そう言いながらも、電話で道順を説明してくれて家にまであげてくれたアリサさんに笑顔を返す。
「電話でもよかったんですけど、アリサさんが危ないって言うから」
「当たり前でしょ?! こんな遅くに一人でうろうろしてたら危ないに決まってるじゃない。また痴漢にでもあったらどうするの?
こないだだって、痴漢に触られた挙句、ケガまでさせられて……。
……なんか、椎名くんがアナタの事放っとけない理由が分かった気がする」
「……すみません」
「それに、あたしと瑞希さんはライバルなんだって分かってる?
あたし、椎名くん狙うからって言ったよね?」
「はい」
「だったら何もあたしに自分の短所聞かなくてもいいじゃない。
人選間違ってるんじゃない?」