ジュリエットに愛の花束を。
「んー……」
「……怖いから一人で唸ってないでくれる?」
「あ、すみません」
あたしの前に、コト、と置かれたマグカップを見ながら言うと、アリサさんは無言のままあたしの隣に座った。
あったかい紅茶の香りが甘く広がる。
「的を得た答えをくれる人って考えたら、アリサさん以外に思いつかなかったんですよね。
アリサさんはライバルだけど、だからこそあたしの嫌なとこが目に付くんじゃないかなって」
紅茶を飲みながらアリサさんを選んだ理由を言うと、アリサさんは少し黙ってからあたしに視線を移す。
「悪いけど、分からないかも」
真面目に言われて、びっくりしてすぐに聞き返す。
「えっ、そんなハズないです。あたしの事憎んでるアリサさんなら怒涛の勢いで言ってくると思ってたのに……。
あたし、自分でも2、3個はぽんぽん出ますけど」