ジュリエットに愛の花束を。
アリサさんと話して何かが吹っ切れたのか、気持ちが落ち着いていた。
感じてた焦りも今は消えていて……。
今まで、なんで無理に自分を変えようとしていたのか、変わりたいと思っていたのか……。
疑問に思えるほどで。
単純な頭に、呆れながらもそれでよかったと苦笑いする。
「でも、なんで急に短所探しなんて始めたの? 瑞希さんってあまりそういう事気にしなそうなのに。
わが道をいくってタイプに思ってたんだけど……本当は違うとか?」
「あ、いえ。まさにそんな感じなんですけど……ちょっと、友達に指摘されちゃって」
松永が、友達ってカテゴリーに入るのか疑問だけど。
「指摘って? 短所が多すぎるって?」
「そんな直球では言われてないですけど。
……樹に、あたしは似合わないって。
だから、それと同じ意見を持ってるアリサさんなら、あたしが樹と見合うようになる方法が分かるかなって。それで」
「見合うって……。
今も見合わないって思ってるの?」