ジュリエットに愛の花束を。


「あ、ああ……確か、そう言ってなかったか?」

「……言ってた気がする」


でも……松永って、あの……松永とかじゃないよね?

え……、だって、全然似てないし。


アリサさんの姉弟ならもっとカッコいい顔してるハズだし。

第一性格が違いすぎるし……うん。

別に珍しい名字でもないわけだし、同じ大学内に一人や二人同じ名字がいたって不思議なんか全然ないし。


うん。違う。

きっと違うに決まってる。

絶対に、違う。


なんとか自分に言い聞かせながらも、少し残る可能性に胸騒ぎがしていた時。


ポケットの中のケータイが鳴り出した。







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