ジュリエットに愛の花束を。
軽く笑いながら言う樹に、あたしも笑って返す。
「今は草食男子がモテるらしいけどね。そのうち肉食男子の時代がくればいいね」
『意味違うだろ』
「そういえば、大会の時期に就活してたよね? それってまだ返事とかこないの?」
樹はもう四年生で、しかも今はもう10月末。
内定が決まった人だって結構いるハズ。
今は優等生とか見込みのある学生は競争率高くて早い者勝ちだから、内定を早めに出す会社が続出してるって聞くし。
早いところは三年生のうちから内内定もらってるとか。
樹……こんなノンキで大丈夫なのかな。
急に不安になって顔をしかめていると、樹はそんなあたしの心配を後押しするような答えを言う。
『あー……来たけど』
「え、……合格した?」
『まぁ、一応内定はいくつかもらったけど』
「なんだー……心配しちゃったじゃん。通信会社だっけ?
結構名前聞くところだったよね、確か」
『断るかもしれないけどな』