ジュリエットに愛の花束を。
いつもなら、絶対に素直に頷かない言葉。
だけど……樹の真剣な瞳に、恥ずかしくなりながらも小さく頷く。
「……いいけど」
「触っても、こないだみたいに変態扱いしない?」
「……変態的なアブノーマルな事しなければ」
あたしの答えに、樹がふっと笑う。
そして、身を乗り出してあたしに近づく。
おでこがくっつきそうな距離に、ドキドキが聞こえちゃいそうで嫌だけど……樹の熱のこもった瞳に、目をそらせなかった。
男のくせに色っぽいとか、絶対ずるい。
「じゃあ、触るけど?」
「……」
「瑞希?」
2回聞くとかやめてほしい。
さっきだって頑張って素直に答えただけに……2回目は、素直に頷けなくて。
「……やっぱりダメ」
「さっきいいって言ったじゃん」
「でも、やっぱり……」