ジュリエットに愛の花束を。


樹が笑う。

そして、もう一つ注文を付け足す。


「じゃあもう一つ。……3秒黙ってて」


言葉と同時に落ちてきたキス。


深まるそれは3秒どころじゃすまなかったけど、大人しく樹を受け入れた。


熱のこもるキスに、呼吸が乱される。

服の中に入り込んできた手に、身体が反応して……スイッチが入る。

少し、女の子らしくなるスイッチが。


「…っ……ん、…」


樹にしか押せないスイッチが入った途端、頭も身体も全部が樹一色に染めあがる。

身体中に落とされるキスが、くすぐったくて気持ちいい。


「…ん、……」


ふわふわとした気持ちよさに、樹の頭を抱き締めた。

翻弄されるのさえ気持ちよく感じちゃうなんて……本当に重症。



まぁ、かなり前から気づいてたけど。




< 244 / 355 >

この作品をシェア

pagetop