ジュリエットに愛の花束を。


この話題から、逃げ回ることだってできた。


樹の中でもう解決した事なんだからって、あたしには関係ないしって。

樹の優しさに甘えて、気づかない振りをすることだって、きっとできた。


……けど。

そんな卑怯な事……。


あたしの性格が許さない。

そんなもやもやした関係をこのまま続けていくなんて、あたし達には似合わない。



いつだって、言いたい事全部を言い合ってきたんだから。

いらないことだって、言い合ってきたんだから。


自分の聞きたくないことにだけ耳を塞ぐなんて。

あたしには、できない。


しちゃいけない。





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