ジュリエットに愛の花束を。


フラフラしながらも、皐に「帰れ」って怒鳴られながらも、4時間目に出た。


1人でいると、色々考えすぎちゃうから。

……せっかく決めた決断が、揺らいじゃうから。

身体が弱ってるから、余計に考えが甘ったれちゃいそうだし。


1人になりたくなかった。


ケータイを見ると、昨日からの不在着信が10件を超えてた。

あんなに無理矢理別れを押し付けたのに、0時から7時の間には一度も着信がなくて。

その優しさに胸が詰まる。


あたしの睡眠確保とかしてて、バカみたい。

……樹はきっと眠れない夜を過ごしたのに。






from。樹
sub。
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瑞希、

頼むから
電話に出て。

―――――――――


そんなメールが、昨日の夜一通だけあって。

樹の気持ちを思うと、胸がどうしょうもなく痛かった。





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