ジュリエットに愛の花束を。

教室の中、座ったまま向かい合う形になって。

どう考えても不自然なのに、そんな事気にもならなかった。

周りから送られる視線さえも、気にならない。


完全に、あたしと樹だけが切り離された空間にいるみたいだった。


樹は表情をつらそうに歪めて、じっとあたしを見ていて。

あたしも無意識に視線を返した。

……たったの一日ぶりなのに、樹が恋しくて恋しくて仕方なかった。


「瑞希、電話出ろよ。おかげで昨日一睡もしてねぇんだけど。

瑞希いないのに部屋で起きてたってやる事ねぇのに」

「……」

「今朝も電車の時間ずらしただろ。

おかげで、それを知らないでずっと改札前で瑞希を待ってたせいで遅刻したし」

「……」

「大体、あんな一方的に別れるとかってできると思ってんのか?」

「……え、できないの?」






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