ジュリエットに愛の花束を。
けど……。
少し不安に思うも、でも、樹はそんな事で嘘はつかないだろうから。
だから、きっと本当なんだ。
本当なんだ……。
「よかった……」
自然とため息が口をつく。
そして、何気なく時計を見て……血の気が引いていくのが分かった。
「樹っ、樹、起きて!」
「……ん、」
「時間!! お兄ちゃんが帰って来るから!」
ぼんやりとあたしを見つめる樹にそう言ってせかすも、樹はだるそうに背伸びをするだけだった。
「大丈夫だよ。俺、ちゃんとお兄さんに許可とったし」
「え、いつ?」
「瑞希が学校で倒れて、ここまでタクシーに乗せてきたんだけど、その最中で。
あ、悪いけど、お兄さんに電話するのに番号分からなくて、ケータイ勝手に借りたから」
「そんなのはいいけど……お兄ちゃん、いいって?」