ジュリエットに愛の花束を。
「そうか。ならよかった」
その笑顔があまりに素直なモノだったから、本当に心配してくれてたんだなって事が分かって……照れくさくなる。
もうあたし20歳になるのに。
なんだってこんなに甘やかされて心配されなくちゃならないんだろ。
結婚する前も優しかったしおせっかいだったけど、帰ってきてからのお兄ちゃんのそれは異常に思えるくらいだ。
何かをカバーしようとしてるみたいに全力でそうしてくれる。
……あたしに何か後ろめたい事でもあるみたい。
「ケーキ買ってきたから。後で食べような。あ、今日はおかゆ作ってやるからな」
「……」
「ちゃんと卵も入れてやるから」
やっぱり甘やかされて、でも今はそれがなんだか心地よくて。
熱のせいにして、お兄ちゃんの言葉に素直に頷いた。