ジュリエットに愛の花束を。
「そこまで世話した妹が大切なのは当たり前だろ。ここは俺の意見を……」
「嫌っ! 絶対に別れない。
第一、昔と今は違うもん。適当に選んだわけじゃないんだから!
じゃなくちゃ2年も続かないでしょっ! お兄ちゃんが心配して口を挟む場所がないくらい、樹とはちゃんと仲良くやってるもん!」
強く主張すると、お兄ちゃんはあたしをじっと見つめて眉をしかめた。
「……瑞希、こんな事、今頃話したくもないけど……今まできちんと話した事なかったし。
それに、両親はきっとおまえにこういう事を話さなかっただろうから今教える。
あのな、瑞希。もし……その、あれだ。いくらそいつとのセッ……」
「ちょっと! ……もしかして、生命の神秘的な話しようとしてる……?
やめてよ、そういうの家族間で聞きたくないっ! っていうか、十分知識はあるから心配しなくたって大丈夫だから!!
樹だってその辺しっかりしてるし! ね、樹」
気まずさのあまり話を振ると、樹は困り顔であたしに小声で言う。