ジュリエットに愛の花束を。
挑戦状?
あたしが5歳の時にお母さんが再婚して、その時に初めて兄妹ができた。
7歳上のお兄ちゃんは、あたしに優しくしてくれて。
仕事で家を空けてばっかりの両親の代わりをしてくれているみたいに、いつも一緒にいてくれた。
両親がいないこの家を、寂しいと思った事なんてないほどに、お兄ちゃんはいつもあたしを気にかけてくれていた。
そんなお兄ちゃんに、あたしはいつの間にか惹かれてて。
恋とブラコンの中間をいってたあたしの気持ちは、長い間あたしの中に留まり続けた。
……樹に出会う、その日まで。
結局、樹にしか打ち明けられなかったお兄ちゃんへの気持ち。
だけど、それは簡単に口に出せるほど軽いモノじゃなかったから。
だから、気軽に誰かに相談したりできなかったし、想いを言葉にさえできなかった。
それほどまでに想っていたお兄ちゃんを、心の底からうっとうしく思う事なんて。
……絶対に不可能なんだ。
形は変えたけど、お兄ちゃんを好きだって気持ちはずっと、今だってあたしの中にあるんだから。