ジュリエットに愛の花束を。
【第一章】
いきなりの襲来
「あ、あっ、樹……あ、たし、もぉ……っ」
「ん? なに瑞希。ちゃんと言えよ。……ほら」
「……あっ、触っちゃダメっ、…も、無理っ!!」
「瑞希っ……ちょっ、触んなっ!!」
倒れこむように樹の足に触ると、樹は過敏反応を示す。
そしてすでに倒れていたあたしの横に転がった。
「なんだー、樹だってしびれてるんじゃん」
「おまえが触んなければどうにかなる程度だったんだよっ。
どうすんだよ、これ。歩けねぇし」
「大丈夫。あたしも歩けないから」
「大丈夫じゃねぇだろっ。嫌だからな、またおんぶしておまえ連れてくのは。
大体、酔っ払って電話よこすのやめろよ。すげぇ迷惑だし」
「とか言いながら、心配して毎回迎えにくるじゃん」
「おまえが『迎えにこなきゃここで寝る』とか言うからだろっ」
「じゃあもう電話しない。樹には何も言わないでそこで寝る」
「……っ!!」
樹が顔をしかめたところで……ついに、雷が落ちた。